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新藤晴一(ポルノグラフィティ)がプロデュース・原案・作詞・作曲を手がけるミュージカル「a new musical『ヴァグラント』」が8月19日より上演される。本作の制作会見、および稽古見学会が本日8月1日東京都内で行われた。

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「ヴァグラント」の舞台は大正時代。“マレビト”と呼ばれる芸能の民と、炭鉱の町に生きる“ヒト”の激動の運命が描かれる。本日の会見には新藤のほか、主演の平間壮一廣野凌大、出演者の小南満佑子山口乃々華平岡祐太美弥るりか、脚本と演出を手がける板垣恭一が登壇した。

本作のために20曲以上の楽曲を書き下ろしたという新藤は、稽古開始から1カ月以上が経過したという現在の状況を「プレイヤーの皆さんがどう作り上げていくかを体験する時間を過ごしています。いい感じで仕上がっていますし、本番までの2週間でさらに煮詰まっていくのを心より楽しみにしているところです」と語り、ミュージカルの制作現場の熱量を「みんながみんな持てる力を惜しみなく出して。損得じゃなく『面白いものを作ってやろう』という気持ちに感動しています」と表現する。主演の平間は「2週間ぐらいみっちり稽古できています。1つ1つ目の前のことを全力でやるのが僕たちの使命です」、廣野は「豪快でパワーの有るシーンが多いんですけど、豪快さの中にも繊細さがないと描けないんだ、と板さん(板垣)の演出によって腑に落ちてやっているところです」と意気込みを語った。

新藤がミュージカル制作を志したのは、イギリスロンドンで鑑賞した「メリー・ポピンズ」がきっかけだったとのこと。完全オリジナルミュージカルとなる本作の制作にあたって意識したことを尋ねられると、新藤は「僕がやりたいと思ったことを演劇界の人たちにぶつけて、ここまで作ってもらったという感じです。自分が高校生のときにバンドを始めたときも、バンドをやっている人たちを見て『カッコいい』と思って仲間を集めて始めて。その感覚に近いです」と語った。

そんな新藤とタッグを組んだ板垣は「『面白そうだな』と思って引き受けたんですが、なるべく手加減しないほうがいいと思って。本当に思っていることを新藤さんにボーンとぶつけて」と振り返りすいませんでした(笑)」と頭を下げる。そして「打ち合わせの間、新藤さんの食いつき方がすごくて。『ではどうしたらいいのか?』という前のめりな姿勢に感化されて共同作業を続けているところです」と制作過程を明かした。さらに板垣は「こんなに楽しそうに関係者が稽古を見ていることはないだろうなと」「たまに踊ったりもなさっていて、『出演するんですか?』とみんなに言われています(笑)」と稽古場での新藤の様子も語った。

新藤が提供した楽曲の印象を尋ねられると、平間は「僕たちはみんな夢から始まったことがいつしか仕事になって、『やらなきゃいけないからやってる』ということもあるんです。でも晴一さんは舞台を作りたいという子供心の持ち主で、夢を見続けている方が作っている曲というのが全曲素敵だなと思いました」と話す。廣野も「新藤さんが本当に1曲1曲に愛を注いでいてくれて。楽曲に込めた熱が伝わると思います」と、その魅力をアピールした。

また劇中で好きな曲を問う質問に、平間と廣野が演じる主人公・佐之助が作品冒頭で歌う楽曲を挙げた美弥は「歌詞も好きなんですけど、つい最近歌詞がすべてリニューアルいたしまして……(笑)」と歌詞が大幅に変更されたというエピソードを明かす。「稽古を観ていた晴一さんが『歌詞書き換えていい?』って言って、3分の2くらい変わったんです。我々は感動したんですけど2人がかわいそうで」と板垣が舞台裏を語る横で、新藤は「ごめんね、ごめん!(笑)」と平間と廣野に平謝りしていた。

会見終了後に行われた稽古見学では、キャスト陣の演技の合間に新藤と板垣が劇中で披露される楽曲を解説。作品のオープニングは新藤が新たにレコーディングしたギター演奏が披露される。この演出について、新藤は原作者として「僕からも(観客に)挨拶したい」という思いがあったと説明した。

ミュージカル「ヴァグラント」は8月19日から31日まで東京・明治座にて上演。その後9月15日から18日まで、大阪・新歌舞伎座でも上演される。

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「ヴァグラント」会見の様子。前列左から


(出典 news.nicovideo.jp)


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