毎年幾多のミュージシャンが登場し消えていく音楽業界。そんな80年代の音楽業界で絶大なインパクトを残して消えていった「覆面歌手」がいた。

 1983年ごろ、全国の小学校中学校でこんな奇妙なうわさが飛び交っていたという。
 「テレビを見ていたら頭から紙袋を被った男がクネクネ踊っているビデオが流れた」

 当時「この映像を見た」という人物の話によると、怪人物は目と鼻と口の部分に穴を開けた茶色の紙袋を被っており、黒いスーツ姿でマイクを持ち「はぁ~ぶっちぎり~ぶっちぎり~」と謎の歌を歌っていたという。

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 これらの映像が放送されたのは朝5時台。たまたまテレビを見た学生たちの間で「放送局が何者かにジャックされていたのではないか?」「怪しい宗教儀式の映像が誤って放送されたのではないか?」「悪夢を見ていたのではないか?」といったうわさで持ちきりになっていたという。

 もちろん、この映像は「宗教儀式」や「悪夢」ではなく実際に放送されたもの。歌手名は「XQS(エクスキューズ)」、楽曲名は『ぶっちぎり NO文句』。当時はレコードも発売されていたという。

 「XQS」は姿や素性を隠した覆面歌手であり、その正体は2022年現在も非公開だ。だが、なんと驚くべきことにその正体は『見上げてごらん夜の星を』で有名な歌手・坂本九だとされる。

 「XQS=坂本九説」を裏付ける証拠として、名前に「キュー」が入っていること、特徴のある歌い方、また『ぶっちぎり NO文句』のレコードに若かりし頃の坂本の写真がプリントされていることなどが挙がっている。当時の音楽ファンからはバレバレであったようだ。

 なお、坂本は1985年日本航空123便墜落事故に巻き込まれ亡くなった。以来、「XQS」もメディアには一切登場していないため「XQS=坂本九説」は確実と思われる。

 だが一体、なぜ坂本が紙袋を被って歌っていたのか、その理由は未だもって謎のままである。

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画像はイメージです


(出典 news.nicovideo.jp)



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