米歌手ビヨンセ(40)が7枚目のスタジオアルバムを発表したところ、収録曲の歌詞に障がい者に対する軽蔑的な言葉が含まれていると非難された。後日ビヨンセチームは声明文を発表し「歌詞を変更する」と伝えている。

ビヨンセが現地時間7月29日、最新アルバムRenaissanceルネッサンス)』をリリースした。本作は、2016年発表の『レモネード』以来、6年ぶりのスタジオアルバムとなる。

ダンスインスパイアされた最新アルバムに多くのファンが絶賛したものの、収録曲『Heated』の歌詞に気付いた人々が激しく批判したのである。

ビヨンセカナダ出身のラッパー、ドレイクコラボした同曲で「Spazzin’ on that ass, spazz on that ass」と歌っていた。

批判のもととなった“spaz”という言葉は、口語で「パニックになる」「正気ではなくなる」という意味でよく使われるが、元々は痙性脳性麻痺(けいせいのうせいまひ;Spastic cerebral palsy)を患う人を卑下する「spastic」を語源とする。

痙性脳性麻痺とは、脳や脊髄の障がいにより手足の筋肉をコントロールする能力に影響を及ぼす運動麻痺の症状が出ることだ。

ビヨンセがこのような言葉を歌詞に使用したことに対し、障がい者支援者で作家のハンナ・ディヴィニーさん(Hannah Diviney)はSNSで強く非難した。

「私や障がい者団体、そして歌手のリゾの件で私達が努力して得た進歩に対して平手打ちを食わされた気分。音楽から能力主義的な中傷が消えるまで、業界全体に『もっと上手くやって』と訴え続けることになると思う。」

女性ラッパーのリゾ(Lizzo)は今年6月、新曲『Grrrls(ガールズ)』の歌詞で同じ言葉を使用したことで批判されていた。

当時リゾは「私は決して、軽蔑的な言葉を広めたいと思ったことはない」と述べ、その後歌詞を“Hold me back”と変更。この決断に対し「耳を傾け、行動を起こしたことを誇りに思う」と発言した。

ハンナさんは英紙『The Guardian』に寄稿し、「ビヨンセの音楽的・視覚的なストーリーリングへの取り組み、そして黒人女性であることの物語、葛藤、ニュアンスに富む生きた経験に世界を注目させる力のどちらも比類がないものだ」と称賛したうえで、今回の歌詞についてこのように批判した。

「だからといって、彼女が健常者を優先する差別的な言葉を使ったのは許されることではない。この言葉はあまりにも頻繁に使われ、無視されている。誰からの言葉であろうと、どんな状況であろうと、私が決して無視できない言葉であることは確かだ。」

この他にもSNSでは「ビヨンセなんてクソくらえだ。軽蔑的な言葉を使って金儲けするんじゃなく、みんなのお手本になるべき。恥を知れ」といったコメントも見られた。

こういった批判を受け、ビヨンセチーム8月1日に声明文を発表し「その言葉は、決して意図的に有害な意味で使われたものではありません。今後、別の言葉に置き換えるつもりです」と述べた。

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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(出典 news.nicovideo.jp)


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